isozakiaiの呟き置き場(旧:愛のカラクリ、AI日記)

彷徨ってますw ここにはツイッターおいときます。

2009年の10冊ならぬ、20冊

サンガニチもすぎて、あけましておめでとうございます。
スローラーナー(のろまな子)全開の、磯崎愛(いそざきあい)です。
こんなんですが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

まずは、本来なら大晦日にアップするはずでした「2009年の10冊ならぬ、20冊」です。ちなみに、2008年はトップ3がレイフェル・ラファティおじさんで、もうわたし、大好きすぎて呆れるね。でも、今年もお顔をだしてます。

さて、じつのところこの話題、先日はてなハイクで投稿して、なんかもう、力尽きてたんですよ。
あ、ハイクはこちら。

~めもめも~

で、もうこれをここにコピペすればいいやって考えてました(手抜きです)。
が、2008年のと見比べて、足らないひとがいるじゃあありませんかっ!!
わたくし、ほんとに重要なひとを忘れてました。
ま、そのことは「無意識のナントカ」なんでしょうね。ははは。

とりあえず、やってきましょっかねv


恋する虜―パレスチナへの旅恋する虜―パレスチナへの旅
(1994/03)
ジャン・ジュネ

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これは本当にわたしの生涯ベストわん。
冒頭部に陶然とするのはジュネの小説を読むひとには馴染みの感覚でしょうが、わたしは、自分が捲る頁のむこうに「白いページ」が視えた。ジュネのいう、「透明なページ」が。
感覚を、奪われた。この文章に。乗っ取られたというか。
凄い。
言語の魔術師の真髄を体感しました。
ほんとうに、おすすめ。
これは、人類の新しい書だと思う。
歴史の書、真実の書、そして未来の書。


悪魔は死んだ (サンリオSF文庫)悪魔は死んだ (サンリオSF文庫)
(1986/07)
R.A. ラファティ

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魔術師といえば、こちらもそう!
そんじょそこらのマジックリアリスムとはわけが違う(笑)。
筋を追うなんて野暮なことはおやめなさい。いきなり、ですよ。用心しててもふりおとされます。要注意!
じつは、戦争と移民の文学と思う。
それゆえに、アイルランド系カトリック、アル中レイフェルおじさんの隠匿してきた「傷」を見る。
いかがでしょうか?


ケルベロス第五の首 (未来の文学)ケルベロス第五の首 (未来の文学)
(2004/07/25)
ジーン・ウルフ

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超絶技巧、奇跡の書。真の意味で、開かれた物語。息苦しいほどに、一行一行、こころして、読む。目を皿のようにして、呼吸を整えて、記憶を整理して、読む。そうすることで堪えようのないほどの愉悦を味わえる。
そんなわけで、去年はジーン・ウルフ様に溺れまくった年でした。
この本と下のシリーズについてはミクシィ日記でさんざんっぱら書き込んだので、いいかげんにしなさいという話もある(笑)。そのくらい、好き。大好き!
それでもくりかえすとするのなら、マーク・トゥエインの、つまりは正統派アメリカ文学の影響。
ナボコフ、プルーストの影響についての言及はいくらでもあろうから。
わたしはあえて、『ハックルベリー・フィンの冒険』を挙げておく。ラファティの「パニの惑星」等とともに。
そう、これもまた「植民地支配」のはなしなのだ。


拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)
(2008/04/23)
ジーン・ウルフ

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真ん中すっとばしますよ。

新しい太陽のウールス  (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-9)新しい太陽のウールス (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-9)
(2008/08/23)
ジーン・ウルフ

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個人的には、堂々5巻の《ウールス・サイクル》としてとらえたい。
これは、何度もなんどでも、愉しめる書物。
まさに総合小説なのであろうが、帯にひとつ足らなかったのは、「自伝」。
これは、セヴェリアンの自伝であるとともに、ジーン・ウルフのそれでもある。時折ふと、著者の顔がのぞく。ほかの小説でジーン・ウルフの生の「声」を聞いたことはない。でも、これは聴こえる。
創作者として、全能の神デミウルゴスとしての著者と、戦争をする軍人としての本音と、女性を恋う男性としてのそれが、《拷問者セヴェリアン》の声にかぶる。かの秘薬アルザボの効能のように。
わたしの読み違えであるかどうか、既読の方の判断を仰ぎたいところ。
そして、わたしが言わなければいけないのは、これが『神曲』のとっても面白いパロディであるということかな? 『神曲』パロって誰もがやりたくなるけれど、いやはや、ウルフ様の手際は素晴らしいです。お楽しみあれ!


アフリカの印象 (平凡社ライブラリー)アフリカの印象 (平凡社ライブラリー)
(2007/06)
レーモン ルーセル

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これは、クるよっ!!
物凄い、です。
えっと、絵の説明(ディスクリプション)というのを一度でもしたことのあるひとなら、読んでみてくださいませっ。
もう、是非に是非に。
ここではこれ以上、言わない。なにを書いてもネタばれになるから。
ひとつだけ、これを読んで、わたしはソシュールから始めないとならん、と思いました。
詳しくは、こちらを。肌を粟立たせながら読んでます。


 Saussure, Duchamp, Raymond Roussel

 ソシュールという構造主義の祖。
 デュシャンという現代芸術の魔王。
 ルーセルという孤高で無垢な文学者。
 彼らアナグラムにかかわる天才たちはなぜ人生の一時期を沈黙して暮らし、
 またその時必ずチェスをしていたのか。
 二十年にもなろうという昔から、そのことが不思議でならなかった。
 55ノートは、その謎を解くための、終わるとも思えない長い覚え書きである

 55NOTE(いとうせいこう)




アレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌアレクサンドリア四重奏 1 ジュスティーヌ
(2007/03/17)
ロレンス・ダレル

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読んだのは、前にも書いたように高松氏30代の訳ですが。表紙が綺麗なのでこちらを。しかも、一冊だけ(笑)。
このおはなしについては、三島の『豊饒の海』を一緒に語らないとならないのでしょうが。
今はただ、かの侯爵様の小説でもお馴染みの麗しき名、「ジュスティーヌ!!」とだけ。
これまた植民地支配、オリエンタリズム、フェミニズム、または由緒正しき「芸術家」小説でもあるのでしょうが。
わたしには、SFでミステリでロマンス小説で、とても面白い、最高の、通俗娯楽小説でした。


ダブリナーズ (新潮文庫)ダブリナーズ (新潮文庫)
(2009/02)
ジェイムズ ジョイス

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じつは、ふぃねがんず・うえいく、から逃走しております(笑)。だって、開けた瞬間に眩暈が襲いきたんだもん。
まだ、わたしには早かったらしい。
これは、「死者たち」に本当に愕かされて。なんだろう、皮膚表面に波動が押し寄せてきて困りました。吃驚した。ん~と、キーシンのピアノでラフマニノフを聴いたときみたい。自分のからだを、音が、突き抜けていくのです。しかも、用意というか準備してないところへ。ドクドクと。攫われそうで、びびりました。ウヒャーって感じです。
(なんかもうちょっとまともなことを書きなさいよって思ったけど、でも、こうとしか言えないなあ)


ハザール事典―夢の狩人たちの物語 男性版ハザール事典―夢の狩人たちの物語 男性版
(1993/05)
ミロラド パヴィチ

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昨年、惜しくもお亡くなりになってしまいました(泣)。
大ショック!!
こういう小説について、何を、どう語ればいいのか。
とりあえず、「書物」について、そして「夢」について、また「宗教」「運命」について、「民族」「戦争」について思うところがあるのなら、読んでみて、何か、どこかで、こころに「標(しるし)」が刻まれるはず。もしくはあなたの「魂」に。「眠り」という名の何かへと。誘われ、伴われ、いつか旅立つときへの覚悟が示されるに違いない。


青白い炎 (ちくま文庫)青白い炎 (ちくま文庫)
(2003/11)
ウラジーミル ナボコフ

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読んだのは文庫じゃないのだが、表紙が出るとうれしいのでこちらを。
わたしの初ナボコフ。じつは、この「訳注小説」というのを数年前応募したライトノベルSFでものしていて、今回びっくり。見事に落選してますが(笑)。
ナボコフは、娯楽小説家なのだなあと納得。すっごく面白いもん。それから、マリオ・プラーツの『ローマ百景』を思わせます。エスコート力、半端ナイ。意地悪だけど。ちゃんと、道は示してくれる。これは、オリエンテーション好きにはたまりません。モテ系男子と思いました。あ、小説はキモいかな?(失礼な! ていうか、誉め讃えてるのだ) でも大好き~!


Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
(2008/01)
円城 塔

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オブ・ザ・ベースボールオブ・ザ・ベースボール
(2008/02)
円城 塔

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残念ながら、黄色い本はよんどりません(笑)。
ラファティふぁんとしては、「つぎの著者につづく」を大プッシュで(注の最後もいけてて素晴らしかったので!)、『オブ・ザ・ベースボール』を上にもってくるべきかと思いながら、わたしは恋愛モノにほんとに弱いので、ピンク色に勝ちを!
うん、この本は恋愛してました。胸が、キュンときたv ほんとに。
あと、男の子の本だなあって思った(笑)。見ることと、読むことと。透写や逆転は快かったのに、すこし、サビシカッタ。何故かはまだ、わからない。だから、このひとの本は全部よむ。


完全な真空 (文学の冒険シリーズ)完全な真空 (文学の冒険シリーズ)
(1989/12)
スタニスワフ・レム

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倒れるかと思いました。
真面目に。
ん~と、エーコ先生の『文体練習』も大好きで転げまわるほど大喜びだったんですが。でもこれ、ソコヂカラというか、洒落っぽさより迫力がある分、ヤラレタ。ぐいぐい押してこられて、ラストはもう、もう…、わたし、ギブギブ、みたいな(笑)。喘ぎあえぎ、読み終えたような。とんでもなく面白かったですよ。でも、体力と脳リョクを根こそぎもってかれたように思います。
いやあ、でもまたイキタイデス。気力体力ととのえて。だって、重いんだもん。


まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの)まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの)
(1997/08/01)
イタロ カルヴィーノ

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これは、ラストに滂沱の涙。もう、いやだ、カルヴィーノ様!
ほんともう、なんというか、どうしてそう、なにもかもわかってるの?!
ひどい、ひどい、ひどいっ!!
もう、ほんっとおおおに、大好き~~~~~!!!


木のぼり男爵 (白水Uブックス)木のぼり男爵 (白水Uブックス)
(1995/08)
イタロ カルヴィーノ

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美しく切ない恋愛物語。
今回あらためて二作つづけてカルヴィーノ様をよんで、植物の色相や存在感が小説で果たしている役割についてしみじみ感じ入りました。
だんだんカルヴィーノ様の作品を読みきってしまいそうで心配ですが(笑)、この勢いで、『不在の騎士』へと今年はいっちゃおうと思います。


日本文学盛衰史 (講談社文庫)日本文学盛衰史 (講談社文庫)
(2004/06)
高橋 源一郎

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ひとことでいうと、ずるい(笑)。男性作家しか書けない。『クリプトノミコン』でも思ったけど。このネタでしめますか、と。ジェンダーバイアスかかりまくりで、文句を言うヨ!
でも、面白かったー!!


ヴュルテンベルクのサロンヴュルテンベルクのサロン
(1993/11)
パスカル キニャール

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これは、早すぎた自伝。この作者自身の誉め歌。わたしは美味しく飲み干した。すこしばかり苦かったが。
去年、作者がこれを書いた同い年に読めた。それが、わたしの幸運。
いろいろ自分の勘違いで、読みのツボを外してしまったのだけど。
たまには、こういうのもアリ。それでも浸れたのだ。


ドバラダ門 (新潮文庫)ドバラダ門 (新潮文庫)
(1993/09)
山下 洋輔

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音楽家には、かないません!!
もうほんと、巧みです。
家の根っこを読むと、自分のこともよくわかる。わたしもいつかちゃんとやりたい。できるかどうかわからないけど。


ドロレス・クレイボーン (文春文庫)ドロレス・クレイボーン (文春文庫)
(1998/12)
スティーヴン キング

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「日食」記念本。
ひとりがたりの快進撃。否、怪進撃。たまりません。面白い。そして、ドキドキはらはら、怖かったし感動した。
おすすめくださった山猫さんに感謝!

で、ここで、ジュンパ・ラヒリをよけて(すみませんねえ)。こちらを!


ヴァインランドヴァインランド
(1998/12)
トマス ピンチョン

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ピンチョン・パパです!!
ごめん、すっかりダディのこと、忘れてた。えへへ。
わたしの、パパなんですよ。ええ。実はわたし、プレーリーちゃんと同じ生年月日なのです。え? 生年と生まれ月は出てたけど、日にちは記されていないって?
ふふふ。そこを読むのが、娯楽じゃあありませんか?
そういうことで、この、ドタバタSFをわたしはとっても楽しみました☆
全集でるの、首をなが~くして待ってます!


文体練習文体練習
(1996/11)
レーモン クノー

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ラストはウリポでしめましょう!!
これは、愉しかった。読みながら、思わずニタニタしちゃいました。この不機嫌な、どうでもいい、しっちゃかめっちゃかで粋なネタがパリっぽい。
わたしはダニロ・キシュのこの作品への批判を受け入れるけど、そして彼の『死者の百科事典』をとても大事に想うけど。でも、この題材だから面白いのだ。ムッツリと口をへの字に曲げているパリジャンたちの姿が見えるもの。たんなる超絶技巧じゃなくて、これが出来上がってくる背景が、わたしにはいとおしい。
平和でなければ、こういう作品はたちあがらないし読まれない。


思わぬことに、本音が出た。
そう、わたしは今、自由と平和を享受している。
そのことを、とても強く意識した一年でした。


今年も、素晴らしい本と出会えますように!!
 
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 ダブリン市民

 ご無沙汰しております。
 かなり私の趣味と重なっていたので、コメントしたいことは山ほどあるのですが、つまらない思い出話だけ。
 『ダブリン市民』は私が大学受験の時に参考書や問題集を差し置いて唯一携行して上京した本です。
 大学サークルに所属して、友人になった人物が、訳者の孫だと知ったのは、友人になって10年もたってからでした。

Re:  ダブリン市民

>killhiguchiさま

こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします。
趣味、重なってましたか?(笑) じつは、こっそりそう思っておりましたv
お時間あるときにでも、コメント頂戴できれば嬉しいです。
ジョイスの短編集だけ持って大学受験とは、素敵な臨み方ですね!
しかも、ご友人のおじいさまが翻訳者とは!  
わたしは関東に暮らしておりますので「上京」することはないのですが、当時の自分だったら何の本を持っていくかと想像して楽しくなりました。日本人なら辻邦生さんか三島かなあ? 当時はスタンダールがお気にだったので、そのあたりかも(笑)。

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Author:磯崎愛
オリジナル小説サイト『唐草銀河』(R18一部例外あり)の管理人・磯崎愛です。
SFとファンタジーと世界文学とアート好き。
わんこ狂い。特に北海道犬!
甘辛両刀(ニヤリ)。
がらくた銀河』なんてのもやってたり☆

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