isozakiaiの呟き置き場(旧:愛のカラクリ、AI日記)

彷徨ってますw ここにはツイッターおいときます。

「ミケランジェロはもう」

 ミケランジェロはもう死んでしまっていると教えてもらった昨日ほどひどくありがたく、落ち着いたじつに平穏な気持ちになり、心が穏やかな幸せで満たされるのを感じたことは、これまで一度もなかった。


これは、マーク・トウェインの至言、と思う。
出典は、こちらより。

地中海遊覧記 〈上〉?マーク・トウェインコレクション (10 A)地中海遊覧記 〈上〉?マーク・トウェインコレクション (10 A)
(1997/01)
マーク・トウェイン吉岡 栄一

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いちお、下巻もはりますかv

地中海遊覧記 〈下〉?マーク・トウェインコレクション (10 B)地中海遊覧記 〈下〉?マーク・トウェインコレクション (10 B)
(1997/04)
マーク・トウェイン吉岡 栄一

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デビュー作になるのかな?
さきほどの言葉の前後のやり取りもサイッコーに面白い。とっても笑えます。
絶賛おすすめ!
ローマを旅されたことのある方なら、またミケランジェロの作品に触れたことのある方なら、きっと、感慨深く頷いてくださるものと思います。
下巻は多少厭世的なところもありますが、地中海地域を旅行されたことのある方、またはこれから旅立つ方、住んでおいでの方にはそこここでニヤっとしたり、吹き出されたりするところ満載ですv
じつは、塩野七生さんもこの台詞には納得しておいでで、わたしもミケ様の存在感の凄まじさに、同じような気持ちになったのです。
さて、そういうわけで、今日の本題はこちら。

解剖学者がみたミケランジェロ (RV選書)解剖学者がみたミケランジェロ (RV選書)
(2009/01)
篠原 治道

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わたしはミケ様のモノグラフを読むのは実のところ初めてでして。
もちろん、どんなルネサンス関連本よんだって、このひとが無視されるわけもないし、まったく知らないとかいうわけではありません。あ、そういうえば「小説」は読んだことあるし、あの「僕、ミケランジェロ先生の弟子ですもん!」的なヴァザーリ先生の「ミケ伝」はもちろん既読ですが(なんか、こういうこと書くと叱られそうだけど、でも、ヴァザーリ読むとどうしてもこういう気持ちになるのですよ。なりませんか? ならないかな? ん~、ミケ様、あそこだと機嫌よさそうなんだよなああ、可愛がられたヴァザーリさん、みたいな)
そんなわたしが初めて読むのが、「解剖学者」の書かれたものっていうのもどんなもんだろと思いましたが、この本、とても面白かったです。
なにしろ、こんな言葉が出てくるのです。

 

ことミケランジェロに関するかぎり、「知っていたにもかかわらず知らなかったかのような造形」があったならば、その造形には格別の注意を払わなければならない。私にとって、これは無条件の鉄則である


そう、こういうことを書かれたら、そりゃあ夢中になりますよ。信頼して、ついていきます。

わたしが凄く納得したのは《階段の聖母》について。
ずっと、この作品の奇妙な感じ、なんというか、静かなのに落ち着きのない感じが腑に落ちなくて、少年時代の作品だし、手の形とか明らかにおかしいのでそういうせいかなとかモヤモヤしていたのですが、今回、「聖母は静止しているのか?」を読んで納得しました。そう、これ、

 恐らく眠っている子を起こさないように注意しながら頭にかかっていた衣をはずし、頭をそっと自分の胸から離し、自分の衣服を整えてから子を抱いてその場を立ち去ろうとするのではあるまいか


座位にあるし、子を抱いているからもう「静止」と決め付けていたけど、それを裏切るコントラポストを察知して、どうも落ち着かない、なんか落ち着かないって思ってたんですね。
立ち上がる前の姿なら、わかる。

それから、思わず笑ってしまったのが、ミケランジェロの愛したローマ一の美青年カヴァリエリと、また彼の美神、憧れのひとであったヴィットリア・コロンナ公爵夫人(ペスカラ公爵夫人)との関係についての記述。

 一方でカヴァリエリと男色にふけりながら、もう一方でペスカラ公爵夫人にカヴァリエリの存在を認めつつ、彼女にこのようなあからさまな告白をするほど、ミケランジェロがその方面に熟達していたとは私には思えないのである


わたしも、思えません(笑)。
が、「熟達」はしていなくとも、ミケ様のように旺盛な探究心のあるひとは、駆け引きでも何でもなく、ふたりの人間をそれぞれ違うように愛する、または恋い慕うことができたのではないか、とも思います。純粋だからこその勝利とでも言いましょうか。変な下心などなく、それゆえに恥じることも怖じることもなく、ホントウに真実の純愛なのかなって思います。ミケ様は、ものすごく気性がまっすぐだよなあって。喧嘩の仕方もストレートなので。
このヴィットリアさんについてはこちら。

ヴィットリーア・コロンナの結婚

いつもいつも凄く楽しみに読ませてもらっているcucciolaさんの記事に詳しいです。その他の記事も大変素晴らしいので、ぜひどうぞ!

それにしても、読み終えて思うのは、なんともまあ凄いエネルギーに満ち溢れたひとであろうかということ。
もちろん、作品に出逢っているのでそんなの百も承知なんですが。でも、あらためて、凄い。スゴイとしか言いようがない。空前絶後。
ともかく、スケールが違いすぎるというのでしょうか?
全世界の創造主みたいに、こう、なにもかもをあらゆる方向から同時に見えてるというか、そういう感じがしてため息が出てしまいました。
なんか、よくわからないけど、ミケ様に、ミケ様が好きなだけ、彼の好きな素晴らしい大理石とか建材とかをプレゼントしたくなりました(笑)。もう、あれもこれも好きなように建てて、構想して、彫っていいからって言いたくなった。うん。わたしが時のローマ法皇かメディチ家当主なら、そう言う(笑)。


最後に、わたしの大好きなミケ様の言葉を。
2010年の抱負として。


 素描しなさい、アントーニオ、素描しなさいアントーニオ、素描しなさい、時間を無駄にしないで        


はい!!

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オリジナル小説サイト『唐草銀河』(R18一部例外あり)の管理人・磯崎愛です。
SFとファンタジーと世界文学とアート好き。
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